犬は、自分が食べるものを選ぶことはできませんし、
自分で歯を磨くこともできません。

残念ながら、
その口臭は飼い主さんが引き起こしている可能性があります。←耳が痛い飼い主の一人

口臭が発生する原因

思い当たる場合は要注意!

口臭の原因4つ

(1)口腔内の乾燥
犬の口の中は通常唾液で潤っていますが、
口腔内の水分が不足すると唾液がねばっこく濃縮されて口臭の原因になります。
水を飲む量が少なかったり、鼻炎などで鼻づまりになったりと常時口を開けている状態では、口の中が乾燥して唾液が濃縮され「生臭い」「魚臭い」といった臭いが発生します。

飲水量が足りているか、室温が適切かどうかなどをチェックしてください。

(2)歯周病、口腔内疾患
犬の口臭原因として最も多いのは、歯周病です。
歯周病は、歯肉だけが炎症を起こす歯肉炎とは違い、
歯や歯の周囲にある靭帯、歯を支える骨にまで炎症が起こることがあります。
犬は人に比べて、歯垢(歯周病菌と菌が産生する物質)が歯石(歯垢が石灰化したもの)に変わるスピードがとても早いです。
3歳以上の犬の約8割が歯周病を患っているといわれています。
歯周病では、歯垢や歯石から発生するにおいや炎症により生じる膿などが「腐敗臭」のような口臭を発生させる原因になる場合があります。

また、口腔内腫瘍という症状があります。
これは良性腫瘍と悪性腫瘍扁平上皮癌、悪性黒色腫、線維肉腫などに分けられますが、悪性腫瘍では口腔粘膜や歯肉のみならず、骨組織が激しく破壊されるため、歯周病同様に腐敗臭と感じられる口臭が発生する場合があります。
口臭のみが現れることはまれで、大抵の場合、犬自身の口周りの痛みや違和感による食欲低下、食べこぼしなどの諸症状が先行して現れます。

(3)内臓疾患
胃や腸といった消化器、肝臓や腎臓の不調も口臭の原因となることがあります。

■すっぱい臭いがある場合
口臭にすっぱい臭いがある場合は、胃腸の不調が隠れていることがあります。特に胃炎を患っている場合、胃酸の分泌が過多になるため、嘔吐したり胃酸がこみ上げてきたりします。
それが原因で胃酸由来のすっぱい臭いが口臭として感じられます。

胃炎の原因としては、急性のものは感染症、異物、中毒などがあり、慢性のものは免疫、胆汁の逆流、別の疾患の二次的な症状などが挙げられます。
また、空腹時間が長くなることで胃酸過多となって嘔吐することもあります。

■アンモニアのような臭いがある場合
腎臓や肝臓が正常に働かないことで、通常は体の外に排泄される物質が体内に溜まり、
独特のにおいやアンモニア臭がすることがあります。
(私の愛犬パン君も腎不全がありましたのでアンモニア臭かったな)

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■便の臭いがある場合

口臭に便の臭いがある場合、口腔内の問題やひどい便秘などが影響していることもありますが、腸閉塞や腸のねじれなどの重篤な症状を起こしているおそれがあります。
こうした症状は重積、腫瘍、異物などが原因で起こります。
腸の内容物が正常に流れていかないため、便のような臭いが生じるだけではなく、便のような嘔吐物を吐くこともあります。
この場合は口臭の他に、波のある強い腹痛や痛みを伴う全身の緊張感や、元気がなくぐったりしている、下痢をする(あるいは便が出ない)などの深刻な症状が伴うことがほとんどであり、生命にかかわります。

犬の腹痛は飼い主さんが見逃しやすい症状のひとつなので、注意して観察してあげてください。
お腹が痛い時にはこんな行動が見られます。
□ お腹を触ると痛がる・怒る
□ 抱っこを嫌がる
□ 「祈りのポーズ」をする(下のイラストみたいな恰好になります)

愛犬のお口が臭い? 4つのパターン_a0286340_14300619.png
 

(4)ペットフードの劣化
ペットフードは開封して空気に触れることで酸化していきます。
ウェットタイプのものはもちろん、保存に比較的保存ができるドライフードでも含有されている脂質が酸化して、劣化していきます。
劣化したドライフードを食べることで、食べかすがいつもと違った口臭に感じ取れることがあります。

腐敗したフード、酸化した脂質を含むフードは下痢や嘔吐、腹痛の原因にもなります。
ペットフードを購入する際は、食べきりサイズを選ぶようにするといいでしょう。
また、保管をする際はなるべく空気に触れないようにきちんと封をするようにしましょう。

いろんなパターンがあることを知ると
早期に状態に気づき
動物病院で適切な治療が受けられることにつながります。

たかが 犬の口臭!とすまさず
口の中をのぞいて見ることからケアしていきましょう。